暮らしの仕方 2

「そろそろ終い方を考えなきゃね」

「終う」
という言葉が母の口から出て、驚きと悲しさがあった。

この人も終活考えているんだな(いや全く考えてないとは思ってなかったけど、私の前で言葉にするのは初めてだったから)
という驚き。

そんなこと言わないでほしい
という悲しさ。

母が見つめる終わりを想像したくない、なんて幼いことは言えずに、自分なりに終い方を手伝おうと思い始めた。




服やら本やら衝動買いしてしまう私を窘めた、いつかの母の言葉。
「お母さんの悪いところが似てしまったのね」

本当にそうかも…。
と思うくらい、片付け中はたくさんのものが食器棚や納戸からざくざく出てきた。

でも彼女の心をときめかせたものばかり。

好みが似ているのか、ああこれなら私も買うよなぁ〜なんて思うものがたくさん。

勧められたものは殆ど譲り受けた。




しばらく食器も調理器具も買わなくていいだろう!
というくらいに。

食器も調理器具も嗜好品。
帰省から戻って荷解きしながら、頭にそんな至言(ぽい言葉)が浮かんだ。

こだわらなきゃこだわらずで、ものが何パターンかあればやり繰りして調理から盛り付けまで出来る。

「でもそれを言ったら元も子もないじゃない、ねぇ。」
言いわけをするような、母の声が聞こえた気がした。

はい、全く同意です。

コメント

人気の投稿