2022年2月16日 白いキャンバス地のスニーカー

 久しぶりにスニーカーを買った。インターネット通販対応の雑貨屋さんで、半額セールをしていたデッキシューズタイプ。サイズ展開が幅広く、足が大きめの自分でも買い物が出来る嬉しさ。最初は自分の分だけ買おうと思ったけれど、パートナーの分も購入した。

映画「花束みたいな恋をした」を思い出したからかもしれない。出逢った頃まだ大学生だった主人公二人は、同じブランドの白いスニーカーを履いていた。靴はこの映画で重要な小道具の一つ。

私といえば、白いスニーカーは高校生、大学生の時以来か。気に入った靴を履き潰す癖があるので、私に見初められた白いスニーカーにとっては受難でしかなかったろう。あの頃は車の運転免許もなく、電車を乗り継ぎ、あちこちへ行った。歩くのが好きだった。汚い靴のままで青山にあるギャラリーのイベントにも行ったかもしれない。イベントには、その当時で伝説的に語られる有名モデルがいた。10cm近くあるピンヒールを履いていた。彼女は年齢を公表していなかったけれど、恐らく60代前後だったのではと思う。絵になりそうな後ろ姿の彼女は、ピンク色のシャンパンを飲んでいた。

靴はその人のファッションセンスが表れるだけではなく、人となりというか、暮らしの仕方、立ち居振る舞いが出る気がしてならない。

ついさっき、宅配便で靴が届いた。
40間近のカップルが、白いスニーカーをペアで…
年甲斐がないかしら、なんて思わないわけではないけれど、雪が完全に溶けたらこの靴でふたり出かけたい。

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