ミラクル・キャット・ストーリー

大館での出会いを想う。
人づきあいがあまりよくない自分はかつて、「もっと外に出て、友だち作りなよ!」と上司に言われた。自分の情けなさを突っついた言葉は、ひりひりと響いた。今も思い出すと、胸がずきんと痛む。

「どうせ私は…」ふてくされ気味の頃、大館で知り合ったある女性Mさんとの1ヶ月間はとてもわくわくする日々だった。だいぶ端折ると、猫の里親探しに奔走した。その女性が猫のもらい手を探しており、「嫁ぎ先が決まって、幸せになってほしい」という思いに打たれ、Facebookで知人に里親希望の方を募った。
結果、一度しか会ったことのない高校の後輩が手を挙げてくれた。ミラクル。彼女は岩手から猫を迎えに来てくれた。

仔ニャンの頃
現在の姿。ふくふく!

不貞ていた自分を動かしたものって何だろうな。
Mさんの気持ちに心動かされたこと。それ以前に、出逢えたことが嬉しかった。まさか地元から後輩が自分を頼って来てくれるということも。

すべて、当時の自分にとってはミラクルだった。


デカい。

先日Mさんのご自宅にお招きいただいた。
再会はこの日が初めてではなく、夏にも私が働く店に来てくれた。少し興奮ぎみに大きくなった猫の写真を見せてくれた。Mさんも旦那さんも、写真のなかでとてもいい笑顔をしていた。私にわざわざ会いに来てくれたこと、くらしに笑顔があること、じんわり涙が出そうになるのを抑える(仕事中なので)。

大館に来るときに志した仕事と、今は違う道を歩んでいる。たまに思い返すこともあるけれど、前みたいに後ろ向きな気持ちはない。そのゆえんはミラクルなキャットストーリー。

  イクシッ…!


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