アパートの向かいの銭湯のコインランドリー
久しぶりにコインランドリー。乾燥機がたくさん並んでいるからか、店内はほのかにあたたかい。普段来ないような場所にすると、ちょっとわくわくする。コインランドリーですら。それに加え、ダンスホールみたいな床!広い店内に2、3台置かれたカート。あらなんかアメリカン?と浮かれちゃう。
私的アメリカンなコインランドリー
ギィギィ鳴るちゃちなベンチに腰掛けたところで、山積みになった宗教新聞を見つけてしまう。少し醒めた。
10年くらい前、東京で住んでたアパートには洗濯機置き場が無かった。でも家の真ん前に銭湯とコインランドリーがあったから洗濯は困らなかった。溜めてしまった日には、アパートの狭い階段から転がり落ちそうになってたけど(2階の部屋に住んでいました)。
ポケットにティッシュか何かが入ったまま、コインランドリーの洗濯機を使ってしまったことがある。管理者である銭湯のおばちゃんにすごく怒られたことがある。目をカッと見開いたおばちゃん、怖かった。
銭湯は一回しか利用したことがない。昔ながらの銭湯だった。木札式の下駄箱。脱衣所には乳製品の瓶が入った冷蔵庫。その晩は地元のご婦人で混み合っていて、何となく落ち着かず、気になる存在「おかまドライヤー」も使わず濡れた髪のまま、アパートの自室に戻った。
10年くらい経った今、何気なく調べたらその銭湯は無期限休業中。思い入れはないけれど、そっかー、となんだかしゅんとする。
向かいのアパートは現在満室。私がいた部屋も、今は誰か住んでいるんだな。
物件情報には写真が載っていた。ロフトのある部屋。このアパートに引っ越す少し前、記念に写真を撮りに来た。出窓から木漏れ日が射す、まだ家具もカーテンもない部屋。その日ついて来てくれた彼氏に、ロフトから手を振った。初めての一人暮らしだったから、はしゃいでいた。
このアパート、洗濯機置き場ないですよ。
向かいにコインランドリーがあるから大丈夫です!
鼻息荒く不動産屋に言い切った自分。
思い出せば、コインランドリー生活は大変だった。洗濯機の台数が少ないから、洗濯が終わるまで悠長にコンビニなんか行けない。かと言って、あのコインランドリーにはベンチを置くような広さは無かった。せっかちな近所のおじさんが、私の服が入った洗濯機を開けちゃってたことがあった。洗濯終了の時間をきっちり確認して、銭湯で過ごすのが良かったのかもしれない。喉元過ぎれば的に忘却の彼方に行ってる出来事はまだまだある気がする。
行ったことはないけれど、同じ町内にはもう一つ古い銭湯があった。表通りにあったその銭湯は、デザイナーズ銭湯?おしゃれにリノベーションされたらしい。今や観光名所。休業せずに令和もサバイブしている。
サバイブの分かれ道ってどこだったのかな。
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